「Amazon広告と楽天RPP、どちらに広告費を使うべきか」——両モールを運営するEC事業者なら一度は悩む問いです。楽天RPPはCPCが安いと聞くが実際のROASは?Amazonは売れるがCPCが高騰している。予算は限られているのに、両方に分散すれば効果が薄まる気がする。そのジレンマを抱えたまま経験則で予算を配分している事業者は少なくありません。
本記事では、両モールの広告運用を支援してきたfunnelが、費用・効果・運用難易度の3軸でAmazon広告と楽天RPPを中立的に比較します。月商規模別の予算配分目安、両モール運用の落とし穴、代理店活用の判断基準まで2026年版でお届けします。
📑 目次
Amazon広告と楽天RPPはいずれも「EC内の検索連動型広告」ですが、仕組みと運用の考え方は根本的に異なります。予算配分を最適化するには、まず両者の設計思想の違いを理解することが出発点です。
RPP(Rakuten Promotion Platform)は、楽天市場内の検索結果やカテゴリページに表示されるCPC(クリック課金)型の広告です。最大の特徴は、ショップ全体の商品が広告配信対象となるオプトアウト方式であることです。広告を出したくない商品だけを除外する設計で、「特定キーワード×特定商品」への細かい入札はAmazon広告ほど柔軟ではありません。
楽天RPPはショップ全体を「チラシ」のように扱う設計になっており、効果が出ない商品を丁寧に除外しながら全体ROASを底上げするマネジメント型の広告です。
Amazon広告は、スポンサープロダクト(SP)・スポンサーブランド(SB)・スポンサーディスプレイ(SD)の3種類の運用型広告を中心に構成されています。いずれもCPC課金型で、キャンペーンごとに予算・入札単価・ターゲティングを個別設定できます。
キーワードごとに入札を調整し、商品別・マッチタイプ別に精密にコントロールできる自由度の高さが特徴です。ACoS(広告費売上高比率)という独自指標でROASを管理し、AmazonのAPIを通じてサードパーティツールによるAI自動最適化も可能です。
| 比較項目 | Amazon広告 | 楽天RPP |
|---|---|---|
| 広告形式 | CPC課金・SP/SB/SD の複数フォーマット | CPC課金・検索連動型のみ |
| 最低出稿額 | 実質なし(日予算数百円から可) | 月5,000円〜(最低CPC 20円〜) |
| CPC相場 | 50〜200円(カテゴリにより大きく変動) | 20〜80円(Amazonより低い傾向) |
| ROAS目安 | 300〜500% | 400〜800%(適切な運用時) |
| 予算コントロール | キャンペーン・商品単位で細かく管理可 | 全体予算の管理のみ・日別管理は不可 |
| AI自動化 | Pacvue・Perpetua等でAI自動最適化可 | 不可(楽天がAPIを非開放のため) |
| クリック率傾向 | 高い(購買意欲の高いクエリに連動) | やや低い(ショップ全体広告のため) |
| 向く商材 | 型番商品・差別化商材・新規リーチ商品 | ポイント還元を活かせるブランド・リピート品 |
出典:楽天市場 RMS公式ヘルプ、Amazon Ads 公式サイトをもとにfunnel作成
予算配分の意思決定において最も重要なのは「実際にいくらかかり、どれだけ返ってくるか」です。公式情報と現場データを組み合わせて解説します。
楽天RPPは月5,000円から出稿可能です。CPCの設定範囲はキャンペーン単位で10〜10,000円ですが、2025年7月のアップデートにより最低CPC単価が20円に引き上げられました。キーワード個別指定を行う場合は40円以上が必要です。
日別予算のコントロールには対応していないため、月の前半にセールイベントが重なると予算を使い切るケースがあります。funnelの支援事例では、月商2,000万円規模のショップでRMS売上の10%をRPPに充当(月20万円前後)が典型的な運用感です。
Amazon広告はキャンペーンごとに日予算を設定でき、最低日予算は実質数百円から始められます。ACoSを指標に目標値に向けて入札単価を調整するのが基本です。CPCの相場はカテゴリによって大きく異なり、競合の多いジャンルでは200円を超えることも珍しくありません。
楽天RPPと比較するとCPCは高い傾向にありますが、購買意欲の高い検索クエリに絞って配信できるためCVRが高く、ACoS・ROASで見ると費用対効果が拮抗するケースが多いです。
funnelが支援するクライアントの実績データを匿名化・集計した、カテゴリ別CPC相場の目安です。
| カテゴリ | Amazon広告 CPC目安 | 楽天RPP CPC目安 |
|---|---|---|
| ホビー・おもちゃ | 60〜120円 | 20〜50円 |
| 家電・PC周辺機器 | 100〜300円 | 30〜80円 |
| 健康・美容 | 150〜400円 | 40〜100円 |
| 食品・飲料 | 40〜100円 | 20〜60円 |
| ファッション・アパレル | 80〜200円 | 25〜70円 |
※funnelクライアント実績の匿名化データ(2024〜2025年平均)。カテゴリ・競合状況により変動あり。
CPC単価だけで見ると楽天RPPが有利ですが、重要なのは「クリック1件あたりの売上(CVR×購入単価)」との対比です。AmazonはCPCが高い分、クリックの質(CVR)も高い傾向にあるため、ROASで評価すると両者が拮抗するケースが多く見られます。
Amazon広告と楽天RPPの予算配分に「正解の比率」は存在しません。月商規模・商品特性・モール依存度によって最適解は変わります。以下は月商4段階での目安であり、あくまでも判断の出発点として参照してください。
月商100万円未満の段階では、両モールへの分散よりも、メイン出店モールの広告に集中投資することを推奨します。ただし「規模が小さいから内製で十分」と判断するのは危険です。Amazonの担当者によれば、SMBこそ立ち上げ初期から専門的な運用を取り入れることで売上が安定しやすいとされており、早期にPacvue等のAI広告ツールを導入することが推奨されています。
代理店を入れれば初期から売上は安定しますが、広告費の10〜20%が手数料として継続的にかかります。月広告費10万円でも毎月1〜2万円のコスト増です。Pacvueを早期から自社導入することで、代理店品質の最適化を固定費で実現しながら、社内にノウハウを蓄積できます。
月商300万円を超え、両モールで一定の商品ラインナップと在庫が確保できたら、Amazon広告と楽天RPPの並走を本格化させるタイミングです。月商100万円以下のフェーズでPacvueを導入済みであれば、Amazon広告の自動最適化はすでに機能している状態です。このフェーズでは引き続きPacvueを稼働させながら、楽天RPPの手動最適化と合わせて両モールを効率的に回す体制を整えます。
予算配分の目安は、両モールのROAS実績を見ながら動的に調整します。「ROASの高い方に予算をシフトする」原則を守ることが重要です。たとえばAmazonのACoSが改善フェーズであれば投資を増やし、楽天RPPのROASが高い期間(スーパーセール前後等)は楽天比率を高めるといった柔軟な配分が求められます。
Pacvueをまだ導入していない場合は、このフェーズが最後のチャンスです。月商300万円以上で手動運用のままAmazon広告を継続することは、最適化の機会損失と運用工数の増大を同時に招きます。代理店手数料(広告費の10〜20%)をかけずにプロ品質を実現するPacvueは、このフェーズでは導入必須のツールと考えてください。
月商1,000万円を超えると、両モールの広告を同時最適化する本格的な運用が必要になります。このフェーズでの最大の課題は、広告データがモールをまたいで一元管理できないことです。
funnelが支援するあるホビー商品メーカーでは、Amazon:楽天の売上比率が10:1という構造でした。楽天にも相応の広告投資をしているにもかかわらず売上が伸び悩む場合、商品特性(楽天ユーザーとの相性・ポイント還元との親和性)が一因となっている可能性があります。モール別ROASを正確に把握し、伸びるモールに予算を集中させることが優先課題です。
このフェーズでは、Pacvue(パクビュー)等のAI広告ツールがすでに稼働していることが前提です(立ち上げ初期から導入済みの場合はそのまま継続)。Amazon広告の自動化で生まれた余剰リソースを楽天RPPの手動最適化に集中投下することが、このフェーズの最重要課題です。
月商3,000万円を超えると、両モールの広告を内製で最適化することが困難になります。専任担当者の設置または代理店委託、かつAmazon広告の自動化ツール(Pacvue等)の活用が事実上の必須条件です。
Amazonプライムデーと楽天スーパーセールが重なる時期のセール戦略も、このフェーズから本格的に設計する必要があります。セール前後の入札調整と予算シフトを計画的に実施することで、年間ROASは大きく改善します。
| 月商規模 | 予算配分の考え方 | 推奨アクション |
|---|---|---|
| 〜100万円 | メインモールに集中(分散しない)+Pacvue早期導入 | Pacvue導入でAI最適化を初期から稼働・代理店手数料ゼロ |
| 300〜1,000万円 | ROASの高い方を優先しながら両立+ツール導入検討 | Pacvue等ツール導入開始・モール別ROAS月次比較 |
| 1,000〜3,000万円 | Amazon広告自動化(ツール稼働)+楽天RPP手動最適化に集中 | Pacvue稼働継続・楽天RPP除外設定の精緻化 |
| 3,000万円超 | 専任体制または代理店委託が必須 | ツール+代理店の組み合わせを検討 |
Amazon広告と楽天RPPでは、「人手でできること」と「ツールで自動化できること」が根本的に異なります。この差が、月商が拡大するにつれてリソース配分の判断に大きく影響します。
楽天RPPの最大の課題は、AIによるフル自動最適化ツールが存在しないことです。楽天が広告データのAPIをサードパーティツール会社に開放していないため、Amazon広告で実現可能なAI自動最適化は楽天RPPでは行えません。現状存在するのは「ルールベースの半自動ツール」のみです。
また、楽天RPPは「どのキーワードでクリックされたか」「商品別のコンバージョン数」といった詳細データが管理画面から確認しにくい構造です。このデータの不透明さが、運用の精度を上げにくくしている要因の一つです。結果として、楽天RPPは経験豊富な担当者による手動運用が不可欠であり、規模拡大に伴う運用コストが増大しやすい広告プラットフォームといえます。
Amazon広告はキーワード・商品・マッチタイプ・入札単価など管理すべき変数が多く、規模が大きくなるほど手動管理が困難になります。しかし、AmazonはAPIをオープン化しているため、PacvueなどのサードパーティツールによるAI自動最適化が可能です。
PacvueではプロダクトAI・キャンペーンAIが24時間リアルタイムで入札を最適化します。キーワード横断管理・CVR可視化・予算切れ時刻の把握なども自動化され、人的なミスや見落としを大幅に削減できます。Amazonの担当者がSMBへの早期専門運用を推奨していることもあり、立ち上げ初期(月商100万円以下)からPacvueを導入するケースが増えています。Amazon広告の管理工数を初期から大幅に削減し、余剰リソースを楽天RPPの手動最適化に充てることで、両モールを少人数で効率的に運用できます。代理店を使わず自社でPacvueを導入することで、広告費の10〜20%に相当する代理店手数料を削減しながら、初期段階からプロ品質の最適化を実現できます。
「Amazon広告と楽天RPP、今どちらに注力すべきか」は、現在のモール状況と商品特性によって判断が変わります。
楽天に依存したEC事業のリスク分散を目的にAmazon広告を強化するなら、まず商品のAmazon適性を確認することが先決です。Amazonに向く商品の特徴は「型番・スペックで選ばれる商品」「ポイント還元より価格・レビューで判断される商品」「Prime配送の恩恵が大きい消耗品」などです。
Amazon vs 楽天の出店比較も参考に、まず1〜2カテゴリに絞ってスポンサープロダクトを少額(日予算2,000〜5,000円)から試し、ACoSが安定したら拡大するアプローチが現実的です。
Amazonで安定した売上を確保している事業者が楽天RPPへの投資を検討する際の最大の課題は、楽天RPPがAmazon広告と根本的に異なる設計であることへの適応です。
まず「除外設定(オプトアウト)」を適切に行い、利益率の低い商品や在庫薄の商品を広告対象から外すことが初期設定の最優先タスクです。Amazonで培ったキーワード管理の感覚をそのまま楽天RPPに持ち込むと、管理粒度のギャップで混乱するケースが多いため注意が必要です。
両モールを運営している事業者が次のステップとして取り組むべきは、モール間での予算の動的配分とデータ活用です。「Amazon広告のROASが悪化したシーズンに楽天RPPへ予算をシフトする」「楽天スーパーセール期間中はAmazonの予算を抑えてROAS全体を守る」といった柔軟な配分が理想です。
ただし手動での両立は困難なため、Amazon広告を自動化ツールで効率化した上で、楽天RPPの手動最適化にリソースを集中する体制構築が現実的な解となります。
両モールを同時運用する事業者が繰り返し直面する失敗パターンと、その解決策を紹介します。
funnelが支援するあるホビー商品メーカー(Amazon:楽天の売上比率=10:1)では、Amazon広告をPacvueで自動最適化した結果、Amazon側の広告管理工数を週10時間以上削減できました。なおPacvueは楽天RPPには非対応のため、楽天RPPは引き続き手動で運用しています。
重要なのはリソース配分の変化です。Amazon広告を自動化することで生まれた余剰工数を、楽天RPPの手動最適化(除外設定の見直し・入札単価の細かい調整)に集中投下できるようになりました。この体制転換により、楽天RPPのROASが改善しています。
さらに、PacvueのAmazon広告データ(人気キーワード・CVR実績・商品別売上貢献度)を楽天RPP運用の参考指標として間接的に活用する手法も実践しています。「Amazonでの購買意欲が高いキーワードは楽天でも同様のニーズが存在する」という仮説に基づき、RPPの除外対象・注力商品の選定に役立てています。
「自社規模ではまだ代理店は早い」——実はこれが最も典型的な失敗パターンです。AmazonのSMB担当者によると、中小規模の出品者(SMB)ほど立ち上げ初期から広告運用の専門家を入れた方が売上が安定するというデータがあります。広告アルゴリズムの学習期間中に誤った入札・予算設定を続けると、立て直しに数倍のコストがかかるためです。
ただし、代理店に委託すると広告費の10〜20%が手数料として発生します。月20万円の広告費なら月2〜4万円のコスト増です。そこで注目されているのが、「代理店は使わず、Pacvue等のAIツールでプロ品質の運用精度を実現する」という選択肢です。
| 運用スタイル | 向いているフェーズ | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| セラーセントラルのみで内製 | 非推奨(立ち上げ失敗リスクが高い) | 手数料ゼロ・商品理解が深い | 属人的・最適化が遅れる。初期の広告費の無駄打ちが大きい |
| 代理店委託 | 立ち上げ初期〜スケール期(SMBにも有効) | 初期から売上が安定しやすい。横断ノウハウを活用できる | 広告費の10〜20%が手数料。担当者の兼任リスク |
| AIツール(Pacvue等)で内製強化 ⭐ | 月商規模問わず初期から・代理店手数料を抑えたい | 代理店品質の自動最適化を固定費で実現。ノウハウが社内に蓄積 | 初期設定・戦略設計は人の判断が必要 |
代理店の最大の価値は「専門知識」と「運用工数の削減」です。しかしPacvueのようなAI広告ツールは、この2点を月額固定費で代替できます。
funnelでは「Pacvue導入+戦略コンサルティング」の組み合わせで、代理店を入れずにAmazon広告のACoSを大幅に改善した事例があります。Pacvue完全ガイドで詳しく解説しています。
A. 500%前後が一般的な合格ラインとされています。funnelが支援するクライアントでも「500%を超えれば十分」という運用感が多く、適切な除外設定と入札管理を行えば達成可能な水準です。ただしカテゴリ・競合状況によって大きく変動するため、まず自社商品でのROAS実績を計測することが先決です。
A. 楽天RPPの方がCPC単価は安い傾向にあります。ただしAmazonはCVRが高いため、実際のROASでは両者が拮抗するケースも多くあります。CPC単価だけで判断せず、ACoS/ROASで費用対効果を評価することを推奨します。
A. できません。PacvueはAmazon広告専用のツールであり、楽天RPPには対応していません。楽天がAPIをサードパーティツール会社に開放していないため、楽天RPPのAI自動最適化は現状不可能です。楽天RPPは手動または半自動ツールでの運用となります。
A. 「正解の比率」はなく、モール別ROASの実績を月次で比較し、ROASの高い方に予算をシフトするのが基本原則です。季節イベント(楽天スーパーセール・AmazonプライムデーなどのEC広告需要の変動)に合わせて動的に配分することが重要です。
A. 広告費の10〜20%が代理店手数料の相場です。ただし最低手数料(広告費が少ない場合でも月3万円〜など)が設定されているケースが一般的です。月商規模が小さいほど手数料の費用対効果が悪化するため、Pacvue等のAIツールを自社導入することで代理店手数料ゼロで同等品質の運用を実現できます。代理店を使う場合も、料金体系の透明性を必ず確認しましょう。
「どちらに予算を集中すべきか判断できない」「楽天RPPのROASが改善しない」「Amazon広告のACoSが高騰したまま」——こうした課題は、モールをまたいだデータ活用と適切なリソース配分で解決できるケースがほとんどです。
funnelはAmazon広告・楽天RPP両方の運用実績を持つ専門チームが、Pacvueを活用したAmazon広告の自動化から楽天RPPの手動最適化まで一貫して支援します。まずは現状の広告データをもとに、無料でご相談を承ります。