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越境EC完全ガイド|海外販売の始め方・プラットフォーム選び・成功のポイントを解説

越境ECとは?

「越境EC」とは、自国の境界を越えて他国で商品やサービスを販売することを指す概念です。グローバル化が進む現代社会において、越境ECは世界各地から商品やサービスを手に入れる手段として、また、企業にとっては新たなマーケットへのアクセス方法としてますます重要になっています。

特に日本は少子高齢化の社会で国内マーケットの縮小が確実であるため物販の売上を伸ばすには海外市場への進出は避けては通れない販売方法です。

この記事の結論

  • 越境ECは日本企業にとって新たなマーケットを開拓し、国内市場の縮小を乗り越えるために必須な販売方法です。
  • 初期コストを大幅に削減しながら海外市場にアプローチするため、日本に在庫を置いたまま販売を行うことが可能です。
  • 成功するためには市場理解や戦略策定が必要で、特にECポータルを活用した広告効果が高いことが重要です。

台湾ECモールの中でも日本ブランドとの相性が良いMOMO購物網については、台湾EC市場の攻略法 MOMO購物網への出店と現地最適化の実践ガイドで詳しく解説しています。

越境EC成功のためのステップを示すインフォグラフィック

越境ECの魅力とは?

越境ECの魅力はたくさんありますが、下記にて主なメリットを記載します。

  • 在庫を日本に置きながら海外で販売
    海外に在庫を移動させる貿易型の販売をする場合、運搬費・通関代・倉庫代など少なからずコストが発生しますが、越境ECでは日本に在庫を置きながら海外の消費者に販売する事で初期の在庫リスクを抑えることが可能です(ただし国際配送コストが別途発生します)。

  • 新規市場への商品の販売
    日本市場以外の消費者に商品を販売することで、企業は新たな市場を開拓し、売上や利益を増加させることができます。
    製品やサービスが受け入れられそうな市場をリサーチし、その市場向けの戦略を策定する事が重要です。また、その地域の消費者行動や競合他社を理解し、独自の価値提案を明確にしましょう。
    また同時に販売額が大きくなってくると越境ECのデメリットの部分もあるため、KPIを設定しそれを超えたら商品を現地に運ぶ貿易型に切り替えた方が良いケースがほとんどになってきます。

  • 需要の多様化への対応
    地域や文化によって異なる消費者の嗜好を満たすことで、新たな商品の開発に繋がります。これは製品ラインナップを多様化し、企業の競争力を強化することにもつながります。

  • 商品の季節要因の排除
    夏にしかニーズがない商品や冬にしかニーズのない商品を季節の違う国や地域で越境ECを通じて販売することにより、季節要因を考える必要がなく一年を通じて安定して販売する事が可能です。

 

販売方法は?

当社で海外販売ビジネスをお手伝いさせていただく中で日本のEC環境との違いがいくつかあります。

  • ECポータル vs 独自サイト
    ここでは当社が数多くお手伝いさせて頂いている台湾市場について記載すると、ほとんどの消費者はメーカーの独自サイトから購入するのではなく、「MOMO」や「PC Home」や「Shopee」に代表されるECポータルで購入します。余程の理由がない限り、ECポータルでの販売もしくはECポータルの販売と独自サイトの併用で販売する事をお勧めします。
    広告出稿をした際のROIを考えても断然に「ECポータル > 独自サイト」となりますのでまずはECポータルに出品するのが常套手段となります。

  • 単品販売 vs リピート型販売
    ここでも台湾市場について記載すると日本型のリピート単品通販はなかなか苦戦するケースが多いです。
    理由としては「リピート単品通販が根付いていない」事や既述の通りECポータルで購入する事が多いなどの理由が複雑に関係しているのが要因です。まずはリピート型販売ではなく、単品での販売からスタートするのをお勧めします。

ECポータルと並行して、自社独自サイトで越境ECを展開したいブランドにはShopifyが有力な選択肢です。多通貨・多言語・海外決済・海外配送連携が標準で揃っており、日本に在庫を置いたまま海外向けストアを立ち上げられます。導入や運用の詳細は、Shopifyで越境ECを始めるのページでご紹介しています。

 

越境ECのコスト感

  • 商品ページ制作費用
    商品数や戦略により費用の幅はありますが、越境ECのプラットフォームで人気のある「Shopee」のプランですと、ミニマム費用として10万円程度からスタートする事が可能です。

  • 広告・集客費用
    誰でも知っている有名ブランドの有名商品を除くと、どのECの世界でも商品ページを制作しただけではもちろんほぼ売れません。プラットフォーム内広告、Google広告、Meta広告、インフルエンサー施策など集客活動が必須です。台湾の集客手段は日本とほぼ変わらないのでビジネスの規模を考えて越境ECの広告費を設定するのが良いと思います。

越境EC成功の秘訣

企業が越境ECを適切に行うためには、目的地の市場理解、戦略の策定、実行力が必要となります。それらを適切に行うことで、企業は新たな市場を開拓し、成長の機会を広げることができるでしょう。また、越境ECは、個々の消費者に多様な選択肢を提供し、より豊かな消費体験を実現することを可能にします。

 

越境ECの注意点

  • 法律・規制の遵守
    販売先の国や地域の法律、規制を理解し、遵守することが必要です。これには輸入規制、関税、消費税、プライバシー保護、データ保護などが含まれます。

  • 文化的な違い
    販売先の消費者の文化、価値観、購買行動を理解することが重要です。これには、商品の説明、価格設定、プロモーション方法、顧客サービスなどが影響を受けます。

  • 物流と配送
    商品の海外配送は、時間とコストがかかる場合があります。迅速かつ信頼性の高い配送パートナーを選ぶことが重要です。

  • 通貨と決済
    販売先の通貨での価格表示と、さまざまな決済方法を提供することが重要です。これには、クレジットカード決済、デビットカード決済、電子マネー、モバイル決済などが含まれます。

  • 言語の違い
    多言語対応は越境ECにおける重要な要素であり、商品説明、カスタマーサポート、ウェブサイトのデザインなど、顧客が情報を理解しやすい形で提供することが求められます。

  • 顧客サポート
    タイムゾーンの違いや言語の違いを考慮に入れ、迅速で質の高いカスタマーサポートを提供することが必要です。

  • 地域ごとのマーケティング戦略
    各地域の消費者の行動、好み、価値観を理解し、それに基づいたマーケティング戦略を展開することが求められます。

  • リスク管理
    為替レートの変動、政治的不安定性、自然災害など、海外ビジネスには様々なリスクが伴います。これらのリスクを管理し、ビジネスの持続性を保つための対策を準備しておくことが重要です。

主要な越境ECプラットフォーム比較

越境ECを始めるにあたって、どのプラットフォームを選ぶかは売上を大きく左右します。ここでは、日本企業がよく利用する主要5プラットフォームを比較表にまとめました。

プラットフォーム 主な対象市場 販売手数料目安 日本語サポート 特徴
Amazon Global Selling 北米・欧州・アジア 8〜15%(カテゴリにより変動) あり FBA(フルフィルメント by Amazon)を活用すれば現地配送・カスタマー対応まで一括委託可能。圧倒的な集客力が魅力。
Shopee 東南アジア・台湾 1〜6%(国・カテゴリにより変動) あり(日本チームあり) 東南アジア最大級のECモール。出店の初期費用が安く参入しやすい。アプリ中心のモバイルファースト設計。
Lazada 東南アジア6カ国 1〜8%(国・カテゴリにより変動) 限定的(英語中心) アリババグループ傘下。LazMallに出店することでブランド公式として信頼性を訴求しやすい。
eBay 北米・欧州・オセアニア 約12〜15%(最終価値手数料含む) あり(日本語セラーポータル) オークション形式と固定価格の両方に対応。中古品・コレクターズアイテム・日本独自商品に強い。
MOMO購物網 台湾 約10〜20%(カテゴリにより変動) 限定的(中国語中心) 台湾最大級のECモール。台湾消費者の日本製品への信頼度が高く、日本ブランドとの相性が非常に良い。

プラットフォーム選びのポイントは、ターゲット市場との親和性です。例えば台湾市場に注力するならMOMOやShopee台湾、北米ならAmazon USやeBayが第一候補になります。複数のプラットフォームに同時出店する「マルチチャネル戦略」も有効ですが、まずは1つのプラットフォームで販売実績を作り、オペレーションを安定させてから展開するのが堅実です。

 

越境ECの物流・配送戦略

越境ECにおいて物流は売上とコストの両方に直結する最重要テーマです。配送方法は大きく3パターンに分かれ、それぞれメリットとデメリットがあります。

1. 日本からの直送(自社発送)

日本の自社倉庫や委託倉庫から国際配送で直接購入者へ届ける方法です。在庫を国内に集約できるため管理がシンプルで、初期費用を抑えて越境ECを始められます。一方で、配送に7〜14日程度かかることが多く、送料も割高になりやすいのがデメリットです。EMS(国際スピード郵便)やDHL、FedEx、日本郵便の国際eパケットなどが主な配送手段となります。

2. 現地倉庫の活用

販売先の国に倉庫を確保し、事前にまとめて商品を輸送しておく方法です。現地から発送するため配送日数を1〜3日に短縮でき、顧客満足度の向上に直結します。ただし、在庫を先行投資として現地に送る必要があるため、売れ残りリスクや倉庫費用が発生します。ある程度販売実績があり、需要予測が立てられる段階で導入を検討しましょう。

3. FBA海外(フルフィルメント by Amazon)

Amazon Global Sellingを利用する場合、各国のFBA倉庫に商品を納品すれば、保管・梱包・配送・返品対応までAmazonが代行してくれます。Amazonプライム対象になることで検索順位やCVR(購入転換率)が大幅に向上するメリットがあります。手数料は販売手数料に加えてFBA手数料(保管料+配送代行手数料)がかかりますが、オペレーション工数の削減効果は大きいです。

関税・通関の基本

越境ECで避けて通れないのが関税と通関手続きです。押さえておくべきポイントは以下の通りです。

  • HSコードの確認:商品ごとに国際的な品目分類番号(HSコード)が設定されており、これにより関税率が決まります。事前に正しいHSコードを調べ、関税率を把握しておきましょう。
  • DDP(関税込み配送)vs DDU(関税別配送):DDPは売り手側が関税を負担する方式で、購入者にとって追加費用が発生しないため購入体験が良くなります。DDUは購入者が受取時に関税を支払う方式で、売り手のリスクは減りますが、受取拒否のリスクがあります。
  • インボイス(商業送り状)の正確な記載:品名・数量・金額・原産国を正確に記載することで、通関のトラブルを防げます。
  • 免税枠の活用:多くの国では少額貨物に対する免税枠(デミニミス)が設定されています。台湾では2,000台湾ドル以下、米国では800USドル以下が免税となります(2026年7月時点)。

 

越境ECでよくある失敗パターンと対策

越境ECは大きなビジネスチャンスですが、国内ECとは異なるリスクが存在します。ここでは、日本企業が陥りやすい失敗パターンとその具体的な対策をまとめます。

失敗1:為替リスクによる利益圧迫

海外販売では現地通貨で決済されるケースが多く、為替変動によって想定していた利益が大幅に減少することがあります。例えば、1ドル=150円で利益計算をしていたのに、1ドル=135円に変動すれば利益が10%近く消失します。

対策:為替変動を織り込んだ価格設定を行いましょう。具体的には、原価計算時に5〜10%の為替バッファを確保しておくことが有効です。また、一定額以上の売上がある場合は、為替予約やヘッジ取引の活用も検討すべきです。プラットフォームの決済通貨と受取通貨の組み合わせを最適化し、両替回数を減らすことも重要です。

失敗2:返品対応の不備

海外の消費者は日本に比べて返品に対するハードルが低い傾向にあります。特に北米市場では30日間返品無料が当たり前で、返品率が15〜30%に達するカテゴリもあります。返品対応の仕組みがないと、返品商品の国際送料を負担するだけでなく、プラットフォーム上の評価も下がるリスクがあります。

対策:返品ポリシーを事前に明確化し、商品ページに分かりやすく記載しましょう。FBAを利用している場合はAmazonが返品対応を代行してくれます。自社発送の場合は、現地に返品受付拠点(返品代行サービス)を設けることを検討します。また、商品説明やサイズガイドを充実させ、購入前のミスマッチを減らすことが根本的な対策になります。

失敗3:現地の法規制への対応不足

日本では合法的に販売できる商品でも、販売先の国では規制対象になることがあります。代表的な例を挙げます。

  • 化粧品・医薬部外品:多くの国で現地の薬事規制(台湾の衛生福利部、EUのEU化粧品規則など)に基づく届出・登録が必要です。日本の薬機法をクリアしていても、そのまま販売できるとは限りません。
  • 食品・サプリメント:原材料表示・栄養成分表示を現地言語で記載する義務があります。特定の添加物が禁止されている国もあるため、成分の事前チェックが不可欠です。
  • 電子機器:各国の安全規格認証(北米のFCC、欧州のCEマーキング、台湾のBSMIなど)が必要な場合があります。認証なしで販売すると、通関で差し止められたり罰則を受けるリスクがあります。

対策:販売先の国の規制を事前に徹底的に調査することが大前提です。自社だけでの対応が難しい場合は、現地の法律事務所や越境EC支援会社に相談しましょう。JETROの「海外ビジネス情報」や各国の在日大使館・商務部も有用な情報源です。

失敗4:カスタマーサポートの言語問題

商品に関する問い合わせやクレームに対して、現地語で迅速に対応できないと、悪い口コミやレビューが増え、売上に直接悪影響を及ぼします。特にチャットベースのカスタマーサポートが主流の東南アジア市場では、レスポンスの速さが重要視されます。

対策:現地語対応可能なカスタマーサポート体制を構築しましょう。具体的には以下の方法があります。

  • 現地語ネイティブのスタッフを採用する、またはCS代行会社に委託する
  • よくある質問をFAQとしてまとめ、現地語で商品ページやストアページに掲載する
  • AI翻訳ツール(DeepL、Google翻訳等)を活用し、リアルタイムでの問い合わせ対応を効率化する
  • プラットフォームの自動返信テンプレート機能を活用し、初期対応を自動化する

これらの失敗パターンを事前に把握し対策を講じることで、越境ECの成功確率は大きく高まります。重要なのは、国内ECの延長として考えるのではなく、海外市場固有のルールと消費者行動を理解した上で事業設計を行うことです。

 

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※本記事の情報は2026年7月時点のものです。最終更新:2026年7月21日

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